湾岸諸国の通貨統合、実現に向けた今後の展開
- 情報BOX:湾岸諸国の通貨統合、実現に向けた今後の展開
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091216-00000734-reu-int
[15日 ロイター] ペルシャ湾岸の6産油国で構成する湾岸協力会議(GCC)がクウェートで開いていた首脳会合で15日、通貨統合協定が発効した。
サウジアラビア、クウェート、カタール、バーレーンの4カ国は首脳会合を前に通貨統合計画に批准しており、この4カ国の中銀総裁が、将来のGCC中央銀行となる通貨評議会の設立に向けたスケジュールを承認することとなった。
通貨統合計画をめぐっては、アラブ首長国連邦(UAE)が今年5月、オマーンが2006年に離脱を表明している。
クウェートのシマリ財務相は、UAEとオマーンが「近い将来」通貨統合に参加することを期待すると述べた。
通貨統合計画の実現に向けた要点は以下の通り。
◎通貨評議会
*サウジアラビアの首都リヤドへの通貨評議会設立に向けた準備を2010年に開始。*GCC加盟国は通貨評議会でも平等に議決権を保有。
*GCC中銀が設立されるまで、通貨評議会が合同の金融政策を策定。
*通貨評議会によって、通貨制度、支払いおよび決済システム、外貨準備、予算手続きの面で参加国の政策連携が可能に。
◎通貨制度
*GCC当局者はGCCの統一通貨を米ドル、あるいは通貨バスケットにペッグさせる可能性があると発言。*アナリストは、ドル安にもかかわらず、インフレ率が昨年の過去最高水準を大きく下回るなか、通貨制度を円滑に移行させるため、最初はドルペッグ制を選ぶ可能性があると予想。
*GCCが将来的に通貨制度を変更する可能性は排除されていない。
*クウェートは湾岸諸国のなかで、インフレ高進のため、ドルペッグ制を放棄したことのある唯一の国。同国は2007年に通貨ディナールを通貨バスケット連動制に移行した。
◎今後のスケジュール
*クウェートによると、統一通貨の導入には特定の期限は設定されていない。同国は、導入は最長で10年先になるとの見方を示していた。*サウジアラビア、クウェート、カタール、バーレーンの中銀総裁がGCC中銀創設に向けたスケジュールを設定。
*2009年3月、GCCは2010年に通貨統合を実現する当初目標を断念。
*テクニカル面の問題があるために、統合手続きは遅いペースとなる見通し。一方、UAEの統合計画の協議への復帰も期待されている。
◎課題
*世界最大の石油輸出国で、アラブ諸国最大の経済国であるサウジアラビアの支配力。*統合推進にサウジアラビアは重要だが、経済力で劣る他国と対等な関係を築くのは困難である可能性。
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湾岸諸国の通貨統合では、中銀の場所すら決まらないと言う状態だと思っていましたが、
(http://news-net.ddo.jp/cgi-bin/estseek.cgi?phrase=GCC+%E9%80%9A%E8%B2%A8%E7%B5%B1%E5%90%88&perpage=100&clip=-1&navi=0&attr=&order=_date_ の、2009/04/06の記事)
それに関しては通貨評議会を設立させてそれを将来の中銀にするということのようですね。中銀は将来的にはリヤドに設立という事でいいんでしょうか。