大き過ぎてつぶせない金融機関の問題8 …欧州で増えてるらしい

  • 増殖続ける欧州巨大金融 GDP超える企業、5割増の15社

http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200912030019a.nwc

 欧米で「大き過ぎてつぶせない」リスクを抱える金融機関の分割論が活発化しているなか、欧州で自国の国内総生産(GDP)を上回る巨大金融機関が3年前の5割増に当たる15社に達していることが、ブルームバーグの分析で明らかになった。欧州各国の経済にとってさらなるリスクとなりかねない。

 ブルームバーグのデータによれば、仏BNPパリバと英バークレイズ、スペインのサンタンデール銀行をはじめとする少なくとも353の欧州の金融機関は2007年初め以後、規模が拡大した。資産が自国の経済規模を上回る金融機関は実に15社に上り、3年前の10社から増えた。

 欧州連合(EU)当局は公的救済を受けた金融機関の事業分割のニュースで見出しを飾っているが、監督当局は政府支援を回避した大き過ぎてつぶせない金融機関を制御してはいないブルームバーグのデータによれば、欧州の金融機関の資産は07年初め以降で25%増え、増加ペースは米国勢の20%を上回る。今年についても、欧州の金融大手100社のうち、38社が年初と比較して資産が増加している。

 ロンドンの金融革新研究所の上級研究員、デービッド・ラッセルズ氏は「将来の危機の種がまかれている。過去2年間、金融機関は著しく巨大化してきたが、時代の流れにまったく逆行している」と話す。

 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)は08年までの10年間に1400億ドル(約12兆2000億円)を投じて買収を重ね、資産が2914%も膨張した。資産額で銀行最大手のBNPパリバもこの間、バランスシートが59%膨らみ、フランスのGDPの117%に相当する2兆2900億ユーロ(約300兆円)に達した。バークレイズの資産も55%増加して英GDPの108%(1兆5500億ポンド=約224兆円)となり、サンタンデール銀行の資産(1兆800億ユーロ)も今やスペインのGDPにほぼ匹敵する規模だ。

 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で金融とコーポレートガバナンス企業統治)を研究するトム・キルヒマイヤー氏は、とくに欧州の比較的小さな国にとって、巨大金融機関の存在が自国経済に対して大き過ぎるリスクであることを金融危機は浮き彫りにしたと考えている。

 同氏は「大き過ぎてつぶせない金融機関の事業分割には多くの利点がある。新たな金融システムショックに見舞われ、こうした巨大金融機関が1つ以上破綻(はたん)した場合、一部の比較的規模の小さい諸国が再び損失を吸収できるのかどうか、深刻な懸念がある」と警告している。(Andrew MacAskill、Jon Menon)

とりあえずで表示した金融機関は
|UAE向けエクスポージャーは英銀が最大、HSBCの融資目立つ
http://d.hatena.ne.jp/ROBERT-B-PARKER/20091128/1259351329
で、UAEに投資している額が大きい銀行としても名前が出ていました。