英金融監督当局、国内銀行にユーロ崩壊へのリスクに備えるよう指示(ロイター)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120907-00000053-reut-bus_all


9月6日、英FSAは英国の大手銀行はユーロ圏から一部の国が離脱したり、ユーロ圏全体が崩壊するリスクへのエクスポージャーを 依然として数百億ユーロ抱えているとして、各行にエクスポージャーを削減するよう求めた。8月撮影(2012年 ロイター/Michaela Rehle)

[ロンドン 6日 ロイター] 英金融サービス機構(FSA)は6日、英国の大手銀行はユーロ圏から一部の国が離脱したり、ユーロ圏全体が崩壊するリスクへのエクスポージャーを依然として数百億ユーロ抱えているとして、各行に対し、そうしたエクスポージャーを削減するよう求めた。

FSAは国内の主要銀行に対し、ユーロ圏の一部加盟国がユーロを放棄して自国通貨に戻ることに伴うリスクに備えるよう指示。そうした場合、銀行が保有する資産の価値が下落しても、負債の価格も下落するため相殺されるが、資産と負債のミスマッチでそうした相殺機能でまかなうことのできない「リデノミネーションリスク」に関するデータを提供するよう求めていた。

各行が明らかにしたデータによると、「リデノミネーションリスク」が最も目立つのは、スペインのサンタンデール<SAN.MC>の英国子会社であるサンタンデールUKと、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)<RBS.L>バークレイズ<BARC.L>。ただ、その多くはヘッジされているという。

サンタンデールUKは、ユーロ建て資産に比べユーロ建て負債が350億ポンド多いとしながらも、エクスポージャーの大半はヘッジしており、ネットのエクスポージャーは1億ポンドだと明らかにした。

バークレイズによると、スペインにおける資金調達のミスマッチは6月末時点で25億ポンド(40億ドル)で、今年初めの121億ポンドから縮小した。スペイン、ポルトガル、イタリアにおけるミスマッチは6月末時点で228億ユーロ。

RBSは、アイルランドとスペインにおけるミスマッチが240億ユーロあったが、スペインでのミスマッチは著しく縮小する方針だと明らかにした。

HSBC<HSBA.L>は、「ユーロ圏メジャー・インシデント・グループ」と呼ばれる対策グループを立ち上げたことを明らかにするとともに、「1つあるいはそれ以上の国がユーロ圏から離脱する著しいリスクがある」との認識を示した。

RBSも、ユーロ圏から離脱する国が出ることが「特に懸念すべき問題」であり、ユーロ圏全体の崩壊につながる恐れがあると指摘した。

赤字はSIFIsです。っていうかSIFIsしか出てきてませんね。イギリスでSIFIsというと、後ロイズが入るんですけど、さすがに業種が違うんですね。

ヨーロッパが破綻すると、アメリカもダメだろうという見方があるようです。
●これが本当ならば我々はおしまいだ
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20111124/if_true_we_are_doomed

まぁそうすると日本もお終いなんでしょうね。

しかしユーロ圏が本当にお終いかというとこんな記事がありました。2012年6月の記事です。スペインが国内の銀行を支えようとして、スペイン自体が破綻してしまうのではないかと言う感じです。
●【コラム】率直に言おう、ユーロ圏崩壊はもはや時間の問題だ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120622-00000005-wsj-int

 ドルをばらまき続ける連邦準備制度理事会FRB)が量的緩和第3弾(QE3)を実施してくれるはずという根拠のない期待が過去2日間にわたってファンダメンタル分析を退けたことで反発した株式市場に騙されてはいけない。世界は厳しい現実を受け入れる必要がある。ユーロが最終局面を迎えたのだ。

 それは、6月17日に行われたギリシャの再選挙で理論上では最良の結果が出たにもかかわらず、6月18日のユーロ圏金融・債券市場の反応が悲観的だったことで明らかになった。僅差で勝利して第1党となった中道右派の新民主主義党(ND)が、第3党となった全ギリシャ社会主義運動(PASOK)との連立政権を発足し、欧州連合EU)の債権国にとっては多かれ少なかれ有利な政策を押し通せる見通しが立ち、窮地に立たされていたギリシャには生き延びるチャンスが与えられた。にもかかわらず、その後ユーロ圏では失望感ばかりが広がり、スペインの長期国債の利回りは、ユーロ導入後の最高値を更新した。

 投資家は週末を迎えるにあたり、奇跡が起きる可能性に備えたかのようだった。NDが単独で過半数議席を獲得する勝利を収め、ギリシャの新政権とEUの両者から、ギリシャがユーロ圏から離脱するリスクを排除するために、救済条件を修正するといった旨の信頼を回復させるような声明が出るのを待っていたのかもしれない。そうした奇跡が起きなかったとき、投資家はヘッジを解いて「誰が首相になっても、ギリシャがユーロ圏を離脱せざるを得なくなるときがいずれやってくる」と判断したのだ。こうした見方は今やコンセンサスとなっている。

 実際、多くの人にとってギリシャのユーロ離脱は既定の結論であり、この問題は過去のものとなっている。今、問題視すべきはスペインである。その経済規模はすでに救済を受けているユーロ圏諸国、ギリシャアイルランドポルトガルを合わせたものの2倍近くにもなるからだ。

 スペインはすでに銀行の救済資金としてEU諸国から1000億ユーロの支援を取り付けている。これをドルに換算し、スペインの12倍にもなる米国の国内総生産GDP)との比率で調整すると、その額は1兆2700億ドル相当になる。これは2008年に米国議会が米国の銀行を救済するために承認した不良資産救済プログラム(TARP)を5770億ドルも上回る規模である。

 ところが1000億ユーロでは足りないだろうというのが最新の懸念であり、非常に気がかりなところだ。スペインの銀行には総額で3兆ユーロもの保有資産があり、これは同国のGDPの約3倍に相当する。こうした資産に含まれる不良債権には償却を必要としているものも多いが、不適切な会計処理や、流動性が非常に低い不動産市場などのせいで、値洗いプロセスに遅延が生じている。

 最近、スペイン国債の格付けを投資不適格級の「CCC+」に下げた格付け会社イーガン・ジョーンズの社長、ショーン・イーガン氏は、スペインの銀行システムに関して、すでに約束された1000億ユーロに加えて、新たに最大で3000億ユーロの支援が必要になるかもしれないと考えている。

 そうした巨額の支援は、すでに限られているEUの救済基金を枯渇させるだけである。さらに悪いことに、その基金への出資国からスペインが抜ける分、残された国々の負担は増加する。そうした国々には、同じように債務問題を抱えるイタリア、ユーロ圏の破綻したパートナーのためにこれ以上の支援をすることに国民が断固反対しているドイツなどが含まれている。

 言い換えると、ユーロ圏は崩壊する運命にあるという結論にどうしても至ってしまうのだ。ギリシャの離脱がほぼ確実なだけではなく、スペインもユーロ圏全域に悪影響を及ぼす危険なドミノになる可能性が高い。

 ただし、それがすぐに起こるかというとそうではない。ギリシャ急進左派連合(SYRIZA)は再選挙で政権を取るのに十分な票を獲得できなかった。すべてのユーロ加盟国が財政緊縮と通貨同盟の信頼性の維持に取り組むことを確約している現状に、終止符を打ちたいと公言する政府はまだ存在していない。つまり、ユーロ圏が実際に崩壊するのは、かなり厳しい状況に追い込まれてからになるだろう。

 ユーロ圏の崩壊は避けられないというのが市場のコンセンサスである一方、実際にそうなるまでにかなり長い期間を要することになるだろう。これは現在の世界市場の沈滞ムードがしばらく持続することを示唆している。2008年のリーマンショックの後のように、投資資金がユーロやその他のリスクが高い通貨から一斉に逃避するということはないかもしれないが、ドルやその他の避難先に緩やかに絶え間なく流出する可能性はある。そうなると投資で利益を上げるのは難しくなる。

 欧州債務危機に決着が付くまでのプロセスは長く、痛みを伴うものになりそうだ。

(マイケル・ケーシー氏は、ダウ・ジョーンズ経済通信/ウォール・ストリート・ジャーナルが創設した外国為替ニュースサービス、DJ FXトレーダーの米州部門マネジングエディター。『The Unfair Trade: How Our Broken Global Financial System Destroys theMiddle Class』の著者でもある)

で、実際に、『新たに最大で3000億ユーロの支援が必要に』なったようですね。
●スペインの銀行、7月にECBから過去最高の4022億ユーロ借り入れ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120814-00000102-reut-bus_all

8月14日、スペイン中央銀行のデータによると、スペインの銀行が7月にECBから借り入れた資金は6月の3650億ユーロから増加し、過去最高の4020億ユーロとなった。写真は2月、マドリードで撮影(2012年 ロイター/Paul Hanna)

マドリード 14日 ロイター] 14日発表されたスペイン中央銀行のデータによると、スペインの銀行が7月に欧州中央銀行(ECB)から借り入れた資金は6月の3650億ユーロから増加し、過去最高の4020億ユーロとなった。

返済額を差し引いたネットの借入額は3760億ユーロで、6月の3370億ユーロから増加した。

4020億ユーロというと上の記事のTARPとの比較を同じ比率として行うと5兆1376億ドルですね。TARPの7倍ほどの資金を投入している事にあたりますね。いや本当にどうしたものか。